ひなぎく

キラキラしていたころのお話

家族のこと

 

わたしは

 

父が毎日どんな仕事をしているのか知らない

 

母が毎日どんな会話をしているのか知らない

 

妹が毎日どんな友達といるのか知らない

 

父はわたしが毎日どんな風に生きているのかきっと知らないだろう

 

人には見えない部分が沢山あって
知らないことだらけなのかもしれない

 

本当はひとりぼっちなのかもしれないと
ときどき恐くなる

 


けれどもこうして
点と点が線を結び

輪になった家族はあたたかい帰る場所をつくるのです

 

 

 

 

友達と常に連絡を取り合わなければならない毎日

 

自分の日常を知らない誰かに晒け出さなければ満足できない毎日

 

 

鉛筆を握りしめて画用紙にあてのない点を撃ち続けなくても

 

わたしの存在はたったひとつの

点がここにいることを教えてくれる

 

 

だから家族は特別で

不思議なものですね